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僕は神だった

年不相応の知識を保有していた。
その年齢で通常知り得るほとんどのことを知っていた。
いわゆる物知りだ。
知ることの快感を褒められることによって得た。
僕にとって知こそ全てだった。

歳をとった。
人生の自由度が上がった。
知識に個性が出てきた。
通常知り得るものの量が増え、僕の知能では把握することが出来なくなった。
全知が全知でなくなる時だ。
存在する意味が無くなった。
柱が折れた。

他の柱を探した。
代わりになるものはなかった。
知こそすべてという価値観が形成されたあとではもう遅い。
全知などありえない。
少なくともこの出来の悪い頭では。

僕は逃げる。柱がない状態で殴られたら崩れる。



自分を保つための柱は何本か用意しておくべきだ。
どんなに頑丈な柱でも折れる時は折れる。
リスクは分散させよう。
RAID1