ファンとセックスができない

インターネットでパヤパヤしているとファンが付くことがある。これをファンと呼ぼうと考えることが、俺の異常性をよく表しているような気もしないでもないが、とにかく俺の前には信者みたいな人がときどき現れる。俺の重要性を彼ら自身にとっての彼らの重要性と同質だと思って、相応に感情を乗せてくる。それを嬉しいと思う自分がいる。

なんとなくツイートを検索して、雰囲気がいいなとか、素敵なものの言い方をするなとか思って、ときめいてしまうことがある。この挙動の原因としては俺がバイであることは1割にも満たなくて、メインは愛着障害とかだと思う。アイコンが可愛くてナヨナヨしていて弱そうなことばかり言うけれど、しっかりと美意識を持った男性を好きになることが多い。俺は自分が好きなので、自分のこういう感情も好きだ。

何かが刺さるのは、受け手の問題だ。あの時俺があの状況にいなければ、伊吹風子に呼吸困難に陥らせられることはなかったし、古河渚に働かされることもなかった。孵化したての雛が刷り込まれるように、あるいは渇きを潤す水のように、人生を左右する作品や人と出会ってきた。芸人の痛ファンみたいに人を好きになって、曖昧な自他境界に苦しんで、これは自己愛だ。

触れたら壊れてしまいそうな、というのは流石に陳腐すぎるが、触れ合いと言えないようなレベルの距離感を保って、口にこそしないが、お互いにこれ以上近づいたらこのままではいられなくなるという観念を共有している。と思い込んでいるだけなのだろうか。そういう存在が何人もいる。気が狂っている。


夢を見た。美鈴ちんの形をしているけれど、あの子だとわかる。俺を好いている若い弱そうな男を好きにならない理由がないよなと思う。俺も16歳に手を出したい。